伝統と最先端医療が共存する中国の病院 中医学は今も進化しています

TRINITY TRAVELでもご紹介したことがある、中国浙江省の杭州市。
江南運河の終着点の都市としても知られ、市の中心部には世界遺産に指定されている西湖があり、世界中から観光客が訪れ、近年開発も目覚ましい中国の一大都市です。とはいえ、北京や上海ほどの喧騒や高層ビルの隣立は無く、伝統的な中国文化が色濃く残るのが特徴です。西湖は「風光明媚」という言葉がぴったりな美しい湖で、人々は湖の周りに集い、散歩をしたり、おしゃべりをしたり、太極拳をしたり……中国の人々の穏やかな日常が垣間見える場所でもあります。杭州は、伝統と都市の共存する街なのです。地方都市ながら大学の水準の高さや医療関係が充実していることも特徴。
中国の医療と言えば中医学ですよね。漢方や中国独自のマッサージ治療・気功などが有名ですが、現在は西洋医学の病院が増え、多くの市民も西洋医学の医療で病気を治すようになりました。しかし、中医は長い間中国の人々の生活に深く浸透している治療法。漢方や気功などは、今なお深く根差している療法です。中医学専門病院はたくさんありますが、個人経営の病院は、我々日本人にとっては少し心配な面も。
「中医学の治療を受けてみたいけれど、できれば大きな病院で、安心できる環境で受けたい!」。そんな方に、今回は、著名な中医学専門病院と西洋医学の病院で中医の治療を受けられる病院をふたつご紹介します!
中国の西洋医学の病院には、中医科がある病院も多いのです。

■浙江省中医院
http://www.zjhtcm.com/index.php
創立80年以上の歴史を誇る、西洋医学の最先端技術も柔軟に取り入れた、浙江省最大規模の中医学病院です。医療研究、教育、リハビリテーションなどの医学の進化に積極的に力を入れている病院としても有名。外科、内科、皮膚科などはもちろん、中医学独自のマッサージ治療を施す「 推拿科」も設けられています。

→ 推拿科のページはこちら
http://www.zjhtcm.com/news.php?p=3&s_id=%C1%D9%B4%B2%BF%C6%CA%D2&show=true&n_id=263
推拿とは、体の特定の部分をマッサージして動かすことで、清浄の改善や予防を行う中医学独自の施術方法です。特に頸部脊椎症や腰椎椎間板ヘルニアの損傷の治療に定評があり、頸椎症、腰椎椎間板症、五十肩、腰椎狭窄症などの治療も行っています。治療対象は、骨の病気、外科、内科、婦人病、小児科などです。小児斜頸や小児下痢などの治療に対応し評価されています。

■浙江大学医学院付属 邵逸夫医院
http://www.srrsh.com/flash.html
香港の娯楽王、ショウ・ブラザーズのランラン・ショウ(邵逸夫)の寄付により設立されました。病院自体は西洋医学病院ですが、中医科が設けられています。

→中医科のページはこちら
http://www.srrsh.com/html/main/lcksview/340.html
治療対象は、胃疾患、腫瘍、中国医学的心理カウンセリング、漢方薬、婦人科など。中医の伝統的な考えをまもり、冬に症状を発症することが多い、咳や気管支炎、冷え症などの症状を夏に治療する、「冬病夏治(冬の病気は、夏に直そう)」という治療方法も実践しています。中医学の思想を守りながら、最先端の医療を施すことをテーマとしています。若い医師に対して積極的に研究の機会を与え、中医学の発展に貢献していることでも知られています。