ワールド スピリチュアル ニュース インド編 vol.2 「ヨガにも効果的!マントラの威力とは?」

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TRINITYの誌面では伝えきれない情報をHPでお届けします。前回のドイツはいかがでしたか?

2回目は摩訶不思議の国、インドです。

インド文化に造詣の深い、日本人ライター冬野花さんから届いた、マントラに関するレポートです。マントラの意味を丁寧に紐解いていただきました。

 

 

 

 

 

苦しみから解放すると言われるガヤートリー・マントラヨーガを習っている方は、教室でレッスンの始めや最後にマントラを唱えることが多いと思います。そのなかでも特に代表的なマントラのひとつが、ガヤートリー・マントラ(Gayatori Mantira)です。

ガヤートリー・マントラはインドで普段から人々に唱えられている最も代表的なマントラのひとつで、唱え続けるとやがて苦しみから解放され、光ある人生を送れるようになるといわれています。

マントラとは、サンスクリット語で書かれたヴェーダ(聖典)などにある、呪文、もしくは賛歌、詩などのこと。日本では、真言と訳されることもあります。サンスクリット語は、そのひとつひとつの音そのものに言霊(ここだま)が宿っているとされ、そのため、マントラを唱える際には音を正確に発信することが重要と言われています。ですが今回はウェブですので、音よりもその唱えられている内容についてお話します。

ガヤートリー・マントラは、太陽・光・創造主を讃めるマントラと言われていますが、唱えられる文言にはどのような意味があるのでしょうか。下にマントラとその読み方を書き出してみました。では、内容をひとつひとつ簡単に説明していきましょう。

ガヤートリー・マントラ

・OM(AUM)オーム
・Bhur Bhvah Svah ブル、ブヴァハ、スヴァハ
・Tat saviur varenyam タットサヴィトゥール ヴァレー二ャム
・Tat savitur varenyam タット サヴィトゥールヴァレー二ャム
・Bhatgo Devasha Demahi バルゴーデーヴァーシャディーマヒ
・Dhiyo Yo Nah Prachodayat ディヨーヨーナープラチョーダヤッ

「OM(オーム)」
これは、どのマントラでも必ず最初につく音ですね。正しくは「A+U+M(ア・ウ・ム)」。ヒンドゥー教の3大神であるブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァは究極には三位一体だと言われていますが、それぞれ宇宙の創造・維持・破壊を司っています。それと同じように、「オーム(AUM)」はそのひとつの音で宇宙の始まりと終わりとその間を現わしています。人工的な音で宇宙の始まりと終わりとその間を現わしています。人工的な音で宇宙の始まりと終わりとその間を現わしています。人工的な音などがない大海原などで夜、静かにしていると、地球が「AUM AUMAUM‥」と振動しているのが感じられるそうです。もっと分かりやすい例では、お寺の鐘などを近くで集中して聞いていると、「ウワァ~ン‥ウワァ~ン‥AUMAUMAUM‥」と聞こえますよね。

「Bhur,Bhvah,Suvah(ブル、ブヴァハ、スヴァハ)」 この3つの音は、Maha Vyahrti(マハー・ヴィヤーハルティ)と言われています。マハーは、偉大な、という意味。ヴィヤーハルティは文言、言葉、語りというような意味です。世界は7つのレイヤーで構成されているとされているのですが、Buhr Bhuah,Suvahは、その7つある階段の下から教えて3つ目までのレイヤー世界の、それぞれの名前でもあります。そしてこの3つのトリニティは、世界創造の始めの頃につくられるのだそうで、この世はこのBhur,Bhvah,Suahのトリニティで具体化しているということです。

「Savitur(サヴィトゥール)」
太陽。または、太陽の万物に及ぶ活力が神格化されたものであるサヴィトリー神(Savitri)もしくはサヴィター神(Savita)のこと。ひいては、すべてのものの創造主、万物の母。

「Varenyam(ヴァレーニャム)」
最も崇拝にふさわしいもの、最も完璧なもの。

「Bharogo(バルゴー)」
光、輝き。あらゆる過ちを取り除く光。無知を排除してくれる光。「闇」とは無知のことであり、無知は孤独・苦しみの原因であるので、それらを排除してくれる正しい知識の象徴である光のことである。先ほどのsavitriのsun worship(太陽崇拝)とは違って、こちらは光そのものを示している。

「Devasha(デーヴァーシャ)、Dhimashi(ディーマヒ)」
Divine、神聖さ、神聖な存在、神、物質界を超越えしたもの。~について瞑想する、祈る。

「Dhiyo(ディヨー)」
知性、直感、理解する力

「Yo(ヨー)、Nah(ナー)」
関係代名詞 私たちの

「Prachodayat(プラチョーダヤッ)」奮い立たせてください、お導きください、啓発してください。
以上ざっとこのような意味のことが、このマントラで唱えられているのです。
これらを繋げて訳すと、

Bhur,Bhuvah,Svahのトリニティにより具体化される、この宇宙を創った創造主(太陽に象徴される、万物の母)について、もっとも崇拝するのにふさわしいものについて、そして、全ての過ちのもとであり苦しみや孤独のもとである無知を取り除いてくれる光について、私たちは瞑想します。神様、私たちの知性をお導きください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というような感じでしょうか。
全てのものの母である創造主と、それを象徴する太陽を讃える詩。そして太陽が象徴している、私たちが持つべき本物の知性での賛歌なのですね。最も典型的なメロディーのものもあるし、いろいろあります。また、インドでは朝一番にお店などに行くと、店の中でマントラのCDをかけてお香を焚いていることがよくあるのですが、やはりガヤートリー・マントラを一日の初めにかけているところが多いです。太陽や光を心にイメージしながら、このマントラを唱えたり聞いたりすりと、不思議と太陽のエネルギーが身体に満ちていくような感覚を得られます。
次回から、ヨーガのクラスなどで唱える機会のある時に実感してみるとよさそうですね。

 

*今回のTRINITY特派員*
冬野 花さん

インド在住ライター。2004年夏より、インドのニューデリーに単身在住。インド人に混じってヒンディー語をしゃべりながら暮らす日々。インドの文化やトレンド、各地の情報、アーユルヴェーダ関連の情報を発信。夏はヒマラヤの奥へ足繋く通う。写真も得意。

HP:http://fuyuhana.wancoworks.com

 

ブログ「心の暴風警報 in INDIA」

photo&text:Hana Fuyuno