ヨガやマッサージだけじゃない! アーユルヴェーダ5000年の奥義 PART.2

インドに5000年以上伝わるアーユルヴェーダ。
伝統医学であり、食事法や健康療法側面も持ちながら、哲学的思想もカバーする、私たち人間にとって「生命科学」とも言うことができます。
インドの人たちのみならず、日本に住む私たちでも、日常生活の中で実践できることがたくさんあるのです。
今回も、アーユルヴェーダライフさんからお話を伺いました。

 

アーユルヴェーダの世界観

「古代インドにおけるヴェーダの世界観において“宇宙は卵から生じ、膨大な時間を経て再び卵に帰る”という思想があり、宇宙は“創造”“維持”“破壊”を繰り返し、そして再び新たなる宇宙が“創造”されると考えられています。
ここでいう宇宙とは、私たちの周りに広がる自然界や世界そのものを指しますが、この自然界の全てのものもまた“生成”“変化”“消滅”を繰り返し、常に変化し移り変わっていきます。
一方で、ヴェーダの世界観においては移り変わる世界に対して、その背後に移り変わることのないもの“不変の存在”という考え方があります。 自身の存在を自然界や世界に依存しない“存在そのもの”、アーユルヴェーダではこれを“プルシャ(純粋意識)”と呼んでいます。 自然界や世界の全てのものを内包し、静的な純粋なる“意識”と考えられています。
対して、自然界を生み出した動的なエネルギー“プラクリティ(根本原質)”の存在も語られており、この二つの存在こそが世界創造の始まりであるとも説いています。プラクリティは“宇宙を創りだす意思”とされ、“プラダーナ(根本原因)”とも呼ばれています。
こうした古代インドにおけるヴェーダの世界観こそが、アーユルヴェーダにおける身体に対する考え方の基盤であり、その生命観そのものであるとされています」

 

日常生活で実践できるアーユルヴェーダ

「インドにおいては、アーユルヴェーダは特別なものではなく、日々の生活の一部として根づいています。 医療としてももちろんですが、人が生命を受けて誕生した時から年老いて死ぬまでの人生において、どのようにすれば心身共に幸せに健康に暮らしていけるのかを教えてくれるアーユルヴェーダは、 日常生活における食事や睡眠・体調管理などの様々な場面で生きています。
たとえばアーユルヴェーダでは、日の出の1時間程前には起床し、その自然界の精妙なエネルギーに満ちた時間帯から活動することで、活力に溢れる一日を過ごすことが出来るとしています。
食事は“時間”と“場所”が重視され、食事の時間は毎日決まった時間にとること、また食材は出来るだけ自分が住んでいる場所で穫れる旬の食べ物を食べることなどが健康を維持していく上で大切なこととされています。
また1日の時間帯や季節の変化から消化機能は変化するとして、食事をとる時間や季節に適した量や内容(食材や調理方法など)をとるように勧めています。
人間の身体について研究し、健康に良い食材の性質を熟知し、時間や環境・季節などを考慮した食事方法を編み出し、さらには生活習慣までも語るアーユルヴェーダは、5000年以上を経た現在においても、多くの人々の生活の中に深く息づいています」

出典:アーユルヴェーダライフ