マクロビオティックにおける「陰陽」について

ちょっと今回はむずかしいお話を。
マクロビオティックを勉強・実践するにあたり、誰でもが一度は考えるべきテーマ、「陰陽」について、私自身の考察も交えながら、解説したいと思います。

「陰陽」とは相対性であり、そのもののみが絶対であるということはありません。
たとえば、「朝」という陽に対し、「夜」は陰、「愛」という陽に対し、「憎しみ」や「妬み」は陰となり、常に相対し、そのバランスを求められます。
また、陽にしても陰にしても、行き過ぎてしまうと破綻してしまう、ということも、桜沢先生や大森先生を始め、マクロビオティックの重要な理念としてはっきり書き表されていらっしゃいます。

すべては中庸を目指すとも著しておられ、それは陰陽というものが相対的に比較される存在である以上、すべては中間の、無理のない立ち位置や居場所を求め続け、その求めた先が中庸となるはずなのです。

食べ物も陰陽で中和させますよね?
お刺身にはワサビやしょうが、長ネギ、大根などが添えられ、ステーキには玉ねぎやトマト、にんにくなどが用いられ、味付けには人間の体に必要不可欠な栄養分(塩分)として、塩やしょうゆ、味噌が使われます。

それらはまず、動物性たんぱくは野菜などで中和させ、さらに体に必要な栄養分やエネルギーを、調味料をプラスすることで、最大限に有効活用させていく方法なのです。
たとえ野菜のみの料理であっても、陰陽のバランスを計ることで、最大限の栄養素を引き出すことが可能で、必要となります。

また、薬膳などでも当てはまるのですが、食べ合わせが非常に重要な要素を握っています。
そして、その食べ合わせや調理法、限られた調味料の使い方などで、素材の旨みや栄養、そしてそこから繋がっていくおいしさや楽しさ、健康や幸せを導き出していくのです。
それには感謝が必要です。
素材、調味料、一緒に食事をしてくれる相手、その時間をともに持てること、今元気に料理をしている自分、食器や調理道具が今ここにあること、そしてしいては、今生きている自分、すべての命、その命を産み育ててくれた両親や家族、親戚、祖先、はたまた人類の誕生にまでさかのぼり、太陽や月、地球をも含む宇宙全体、そしてそのすべてをどこかで見守ってくれている神様に感謝をしたくなるのです。

私たちは生かされています。
目の前にある、その野菜の切れ端も生かされていて、今まさに、その命を私たちのために捧げてくれるのです。
いかがでしょうか?
愛や慈しみが、自分自身の中にあることに気付き、そしてそのことを自分自身のものとして取り戻せるのではないでしょうか?
陽のエネルギーが入りましたか?

陰陽を学ぶということは、比較をすることではありません。
真実を見るのです。
真実を知るのです。

常に真ん中に自分自身を置いてみてください。
真ん中を、真実を、魂を見つめる人になってください。
マクロビオティックの陰陽とは、ここからが本当のスタートです。
まずは微笑んでみませんか?