アラン・コーエンさん セレンディピティ単独インタビュー PART.5

日本人は罪悪感が得意。でも、罪悪感は人から植え付けられたもの

編 : たしかに自分を甘やかす、自分に優しくすることに、とても罪悪感を抱いてしまいますね。

ア : とくに日本人は罪悪感がお得意ですよね。実は、罪悪感は自然な感情ではありません。罪悪感を持って産まれた子どもというのは、いないんです。人をコントロールしたいという意識にかられている人たちによって教わってきたもの。「罪悪感は、あとから体得したものである」ということを思い出す必要があるでしょう。

編 : 鳥肌が立ちました。すっかり自分自身の感情だと思いこんでいます。

ア : 罪悪感を植えつけた人たちも意識的にコントロールしたわけではありません。誠意を持って接しているけれども、罪悪感に基づいて生きているがために、相手にもその罪悪感を押しつけてしまっているのですね。その連鎖で、みんな罪悪感を持ってしまっているんです。

編 : 罪悪感を持ち始めたら、どうしたらいいのでしょうか?

ア : 自分にこのように問いかけてみてください。「もし純粋な気持ちでこれに取り組むとしたら、どのようにちがって見えるだろうか?」と。罪悪感からではなく「純粋な自分の気持ちで物事を見る」という癖をつけるといいでしょう。それには練習が必要だと思います。あとから植え付けられたのなら、それを自分たちの力で取りのぞくこともできるはずなのです。なぜなら「純粋な状態」というのが「私たち本来の状態」で、罪悪感というのは不自然な状態のものだからです。

編 : 人よりも幸せになることに罪悪感を持ってしまうこともありますよね。それも植えつけられたものなのでしょうか。仕事が成功する、満たされたパートナーシップを築く、家族と幸せになる、素敵な家に住む、旅行にいく…。人生で全部やりたいと思う自分がいる一方で、それをすると大変ことになってしまう…とも思ってるんですよね。

ア : そうですね。「望む幸せ全てを手に入れられない」というのも、教えられたものですね。もうひとつ、たとえ話をしましょう。僕がハワイに移住した頃、自分を愛するための一環として家を買い、引っ越すことにしました。ホットタブという浴場のようなものとサウナも作ったのですが、両方を同時に使ったら、電気が止まってしまったんです。その時「欲張りすぎたかな、両方作ったのは自分に対して甘やかしすぎた。どっちかしかダメなんだ」と思いました。ある晩、パーティをしました。電気技工士の友人がいて、電気を見てもらったんです。友人は回路を開いて「問題がわかったよ、ネジがゆるんでる。スクルールーズだね」と言いました。スクルールーズという英語の単語には、二つの意味があるんです。文字通り「ネジがゆるんでいる」という意味と「頭が弱いやつ」という意味と。実際にネジがゆるんでいたことによって電気が漏れてシステムが落ちていたんですね。だから「ネジをきつくしめてもらい」ました。友人は「ホットタブもサウナもオーブンも、どんなものでもどれだけやっても電気は持つから大丈夫」と笑っていました。その出来事で僕は「自分の中で喜びを制限していたこと」に気づいたんです。「宇宙は、どちらかしかくれない」と思っているのは自分なんですね。そうじゃなくて「両方アリ、欲しいものは手に入る」んです。

PART.6に続く

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■プロフィール
アラン・コーエン
CBS、CNN等のTVネットワーク、ラジオなどにも出演し、 最も売れているスピリチュアルな米国作家の一人。
これまでに数多くの著作や講演、ワークショップなどを通じて、よりよく生きようとする人々、もっと人生を信じて創造的な自己表現を目指そうとする人々の心に触れ、彼らの生き方に啓発を与える。
ベストセラーの著書が多数あり25ヶ国語に翻訳され世界中で親しまれる。代表作に「Why Your Life Sucks and What You can do about it (今日から人生が変わるスピリチュアル・レッスン ダイヤモンド社)」、 「I Had It All the Time(人生の答えはいつも私の中にある KKベストセラーズ)」ほか
アラン・コーエンジャパン http://www.alancohen-japan.com/

TEXT:丸山桜奈 PHOTO:和田咲子