アラン・コーエンさん×てんつくマンさん 対談 PART 3

アラン・コーエン(以下ア): 「不完全すらも完全だ」ということですよね。ちょっとたとえ話をしましょう。毎朝、川辺に水を汲みに行っていた中国の老婦人とかめ(瓶)のお話です。

てんつくマン(以下て) : はい。

ア : 老婦人は二つのかめを天秤にかけて水を汲んでいました。しかし、一つのかめの方は底に小さな穴があいていて壊れていたんです。家にたどり着くまでに、かめの中のお水の半分が抜けてなくなっていました。長年の間、そのかめは心を痛めていました。「自分には欠けがある。水が抜けてしまうから…」って。ある日、そのかめが奥さんに謝るんです。「ごめんなさい。あちらのかめは完璧なのに、私はいつも水をこぼしてしまってごめんなさい。」 すると、奥さんは言いました。「それは最初からは分かっていたわ。だから、あなたの道の片側にお花の種を植えていたのよ。毎日、あなたが水をあげてくれていたから、こちらの道はとてもキレイなお花がたくさん咲いたの。あちら側には何も咲いていないのに…」

て : うわ〜…。すごい、なるほど…。不完全すらも完全か。

ア : すべてのマイナスというのは、プラスの半分に過ぎないんです。「天からの気づき」という縦の垂直のひとつの線を待っている。一つのレベルにおいてはミスに見えるかもしれません。でも、もう一つのレベルでは「すべてはうまくいっている」ということがいえると思うんですね。もしかしたら、てんつくマンさんにとって「どんな自分でも受け入れる」というレッスンになっていたのかもしれないですよね。僕にとっては、まったく何ともなかったので、多分、あなたにとって必要な学びがあったのかもしれないですよね。僕はただ「必要なタイミングでてんつくマンさんに会えたら」と、それだけでしたから。

て : ありがとうございます。学び、めちゃくちゃあったんですよ。アランさんの始めの頃の本の中に「ワークショップを始めた時に、お客さんが少なかったらどうしようと不安になった」といったことが書いてあったんですが、実は僕も昨年末からワークショップを始めたんです。まだ自分のイメージする人数にはなってないんですね。なので、遅刻を潜在意識がさせたとするなら、僕は「自己評価がすごく低いからなんじゃないか」と思いました。「まだ僕はアランさんに会ってはいけないんじゃないか」という自己評価があったことに気づいたんです。

ア : それは意識の引っかけなだけですね。僕たちは絶対に会う用意ができていたと思います。最高のタイミングでね。

て : もう、めっちゃ癒された…(笑)

ア : 本当にそうだと思うんですよ、完璧だと思います。

PART.4へ続く

PART.2 
PART.1

TEXT:丸山桜奈 PHOTO:和田咲子