アインシュタインもビックリ!? 特殊相対性理論で年下男性と同い年になる方法

「光」「相対性理論」「万有引力」「量子論」「タイムマシン」「発明」「宇宙」「進化論」高校や大学の授業でつまずいた方もきっと多い、物理学を中心とした「科学」を、筆者のさくら剛が妄想を盛り込みながら解説した、何とも「バカバカしい本」(著者談)。
この本を読んで目指すところは、タイトルの「感じる科学」が表す通り、「うーん、難しいけど、何となくそういうこと?でもやっぱりわからないや……」、この程度で十分!
著者も語る通り、本書を読んで完璧に理解することは無理なのです。
そんな気楽な気持ちでページをめくってみました!

まずは、「速度の相対性と光速度不変の原理」。
5月に開業した東京スカイツリーの前を、もしものび太くんがタケコプターを使って時速80キロメートルで通り過ぎたとしたら、それを「相対的観点」で見ると、「のび太くんの前を東京スカイツリーが時速80キロメートルで通り過ぎた」と言い換えても正しいと筆者は言います。

私たちから見たら、静止しているかに見える東京スカイツリーも、宇宙的観点から見たら話は全く違ってきます。地球は公転と自転をしているので、私たちには自覚が無くても、実は東京スカイツリーは時速数百万キロメートルで移動中なのです。ですから、厳密に言えば、「のび太くんは、東京スカイツリー(あるいは地球の地面)に対して、時速80キロメートル」という相対的な表現しかできないのです。

何となく言っていることは理解できます。が、ここで「相対的」なものとして著者がテンション高く例えを出すのが、「エッチさ」。子供の頃は『やるっきゃ騎士(ナイト)』や『うる星やつら』を見ると「なんてエッチなマンガなんだろう~!」と思って大興奮していたことが、大人になって18禁の世界を知った今は、ラムちゃんやエスパー魔美の水着姿なんて笑止千万! 「相対性」とはそれと同じことらしいです。なるほどと思いながらも、敢えてそれを例えとして出す必要があるのだろうかと、突っ込みたくなる気持ちに。あまりにばかばかしい例え話に、「日常のなかのくだらないもののなかにこそ、物事の本質があるのかもしれない」と、逆に変に深読みさせる説得力があったりなかったり……。

気になったのは、特殊相対性理論のカテゴリーのなかの「時間の遅れ 婚活中のアラフォー女性の方が、職場にいる年下男性を仕留める方法」。
恋愛において、男性の方が年下であることを気にしている女性もいるかも知れませんが、そんな方に朗報です! ある方法で自分の時間を遅らせ、意中の男性との年齢差問題を解決する方法があるのです! とはいえ、それには莫大過ぎてピンとこないほどの資金と、取り返しのつかないリスクが付きまとうのですが……。「それでもぜひとも挑戦したい!」と思う方は、読む価値ありです。とはいえ、ある意味、読んでも実践できる方はいないかもしれません。「特殊相対性理論」の一つのユニークな考え方として参考にするのがおススメです。

本書は、サブタイトルがとにかくヘンテコです。量子論では、「セーラー服から体操着に着替える間に、女子高生はどのような振る舞いを見せているか?」。タイムマシンでは、「『未来の世界からセワシくんがダメ男ののび太くんを助けるために送り込んだドラえもん』というパラドックス」。一般相対性理論では、「高層ビルの上の方のオフィスで働いている人と、1階で仕事をしている人との賞味期限の違い。」進化論では、「整形美女と結婚して子供が生まれても、当然親の整形後の美しさは子供に反映されない」。
どうですか? 興味をそそられませんか?

読了しても、科学に詳しくなれる保証はありません!
でもなんとなーく、分かったような気持ちになっているから不思議です。
宇宙やダークエネルギーや量子のことなど、スピリチュアル的な視点だけではなく、ゆるーい科学の視点で見つめてみると、新たな視野が開かれるのを実感するはずです。

「感じる科学」
さくら剛 著
サンクチュアリ出版
http://www.sanctuarybooks.jp/